※ 日本建築学会創立130周年記念建築文化週間2016 特別企画パラレル・プロジェクションズ に寄稿した文章をリライトして掲載。 エアコンが室内環境を調整し、人々の活動は屋内に閉じこもり、屋外を使いこなしていた地域のコミュニティが弱体化したのではないだろうか。 そして、インターネットが個人と世界を繋ぎ、多様なストーリーを過剰に生み出し、個人が重視され、それまで外に向いていた意識を個人の中に閉じこめている。 これまでに、社会は様々なものを閉じてきた。 グローバルに考えれば、閉じることが効率的で、経済活動を生み出しやすい側面もある。 しかしローカルの現在を考えれば、医療・福祉や経済循環の回復など、「閉じる」だけでは成り立たない側面もあると感じている。 今、人口減少の波が地域の集落やコミュニティを閉じさせようとしている。 集落存続の是非は、住民の手に委ねられるが、それを考えるには時間が必要である。 時間を作るためには、これまで閉じてきたことを「開く」必要がある。 コミュニティの力を回復させ、意識を地域に向け、他者を受け入れる環境を整える。 開くと閉じる。 この2つをバランスよく共存させることが今の地域づくりに求められることではないだろうか。