最近、趣味を模索しています。 歳を重ねるごとに、安定思考になり、失敗したくない気持ちが強くなった気がします。 そんなことを先日友人にも指摘されて、30代最後の年に「これから続けられる趣味」を見つけようと思っています。 そんなこんなで、木を削りはじめています。 なぜ木削りなのか。 前職の頃に参加した「ヨウさんの木削り教室」を思い出したから。 とても心地よい時間だった記憶が残るワークショップ。 ヨウさん——本名は滝本ヨウ。 都市計画コンサルタントとして激務を続けるなか、心を病み、不眠症に悩んだ時期があったそう。 そんな時、親友から送られてきた一本の切り出しナイフといくつかの木片が、木削りを始めるきっかけに。 その瞬間、忘れていた少年時代の感覚が蘇ったそうだ。 自然の中で夢中で木を削っていた頃の自分。 それは「頭で考える自分」ではなく、「心と感覚で生きていた自分」との再会だったとヨウさんは語っています。 木削りは、何か用途のあるものを作るわけではなく、 自分で選んだ木と対話しながら、ただ削る。 年輪に沿い、節に出会い、考えながら刃を入れていく。 終わりも自分で決める。 ヤスリをかけて、ワックスを塗ったら完成。 それだけの行為なのに、確かに満たされる。 ヨウさんは言っていた。 「木削りは、木に触れて自然を感じる時間。そして、素直な自分に還る時間。」 彼が大切にしているのは、機械文明ではなく、人の手による“文化”としての暮らし。 自然と人との間にある、ゆるやかな呼吸のような関係だ。 そんなワークショップを思い出して、ふと自分でもやってみはじめました。 ホームセンターで廃材を探し、肥後守を一本購入。 削り始めて小一時間。 特に用途はない。 それでも短い時間の中で、木に愛着が湧いてくる不思議。 削る音と木の香り。 手の中に残る感触。 その小さな積み重ねが、思考をほどいてくれる。 きっと、しばらく続けると思います。