自分にあった1本が選びたい。

 

鹿児島県には113の焼酎蔵元があり、銘柄は2000を超えると言われています。

その象徴として思い出すのが、よく行く県庁のロビー。

使われなくなったエスカレーターに、県内の焼酎がずらりと並んでいますが、その前を通るたびに思うんです。


「この違いを全て語れる人は何人いるのだろうか?」 

「ここから私に合った一本を、誰が選んでくれるのだろうか?」


焼酎の売り場に立っても、似たような感覚を抱く。
 商品ラベルには、力強いロゴや煌びやかな写真、イラストが並ぶ。
けれど、それが自分に合っているかどうかは、まるでわからない。


以前、焼酎の蔵元の方と仕事をする機会があった。そのとき教えてもらったのが、「蒸留方法」「麹」「芋の種類」の組み合わせで焼酎の個性がつくられている、という考え方でした。

とてもわかりやすかったし、それを知ってから、自分に合った焼酎の傾向も少しずつわかるようになってきた。


改めて売り場に立つと、ほとんどの焼酎は、その情報を提供していないことに気づく。

芋の種類と麹の種類が書いてあるものは稀にあるが、蒸留方法について書いてあるラベルにはほとんど出会わない。

(私が自分に合った焼酎を選ぶには、蒸留方法を知ることが何より大事。)


そんな中、先日訪れた焼酎の売り場には、なんとポップに蒸留方法が書いてありました。 

それだけで歓喜。笑


ラベルに記載できる情報には限りがあるのは理解しているつもりです。

 それでも、せめて売り場のポップやプライスカードに、「蒸留方法」「麹の種類」「芋の種類」を記してくれていれば、選びやすさは格段に上がる。

そしてこの考え方—— 蒸留方法 × 麹 × 芋 ——が、もっと広まるべきだと思っています。

こうした売り場が増えてほしい。


私の出身大学では、飲み会文化が盛んだった。

安価な、いわゆる“芋臭い”焼酎(こういうと怒られますが)を何の説明もなく飲まされて、焼酎嫌いになってしまう人がたくさんいました。


こういう“ミスマッチ”をなくすことが、焼酎文化の裾野を広げる上でも、きっと大事だと思っています。

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