先日、息子が借りてきた、五味太郎さんの『だれでも知っている あの有名なももたろう』を読みました。 有名な桃太郎のストーリーの「見えていないところ」を描き直した絵本です。 読んでみると、その裏側を想像する行為そのものがとても刺激的で、物語の見え方が一気に変わりました。 描かれていない部分にどれだけ想像を巡らせるか。 誰もが知っている物語を、どう読み替えるか。 そうした行為こそが、クリエイティビティなのだと感じます。 大学時代、設計の授業で ラーメンズの「風と桶に関する幾つかの考察」 を見るようにと言われたことがあります。 「風が吹けば桶屋が儲かる」という慣用句をもとに、因果関係を何パターンも描き変えるコントです。 同じ素材でも、つなぎ方次第でまったく別のストーリーになる。 その柔軟な視点は、今思い返しても鮮やかでした。 こうした「見えていない部分を読む力」は、地域づくりにも深く関係していると思っています。 地域の表面には、数字や課題や成功事例が並びます。 けれど、本当に動かしているのは、その裏側にある関係性や、気づかれずに眠っている価値だと思います。 そこに想像を巡らせられるかどうかで、地域のストーリーは大きく変わります。 どこにでもありそうな地域で、 たまたま出会った人たちと、 地域を好転させるストーリーをどう描けるか。 成功事例をそのまま当てはめ、受け止めるのではなく、 行間を読み、背景を理解し、自分たちの物語を再編集していく。 その積み重ねこそが、地域を変えていく力につながると感じます。 地域づくりに求められるクリエイティビティは、 派手さではなく、見えていない部分に想像(創造)を差し込む力。 そして、その「読み取ったもの」をストーリーとして編んでいく力なのだと思います。