がんばるところ

先日、鹿児島県さつま町の白男川地区にある「きららの楽校」に行ってきました。
きららの楽校は、いわゆる、廃校活用の事例です。

生徒数が減り、学校の統廃合が進むなかで、使われなくなった校舎を、住民が地域の活動に活かすために活用するプロジェクト。
全国にもたくさん存在していますが、きららの楽校もそのなかのひとつと言えます。

住民のための廃校活用

きららの楽校は、体育館やグラウンドなど校舎の付帯施設を残しつつ、宿泊施設、コミュニティスペース、カフェ、キッチンスペースなどに機能を変えています。
いわゆるリノベーションとかコンバージョンと言われるところかなと。

きららの楽校では、地域の活動に使えるように、住民とのワークショップを幾度も重ねて、防災施設としての機能や既存のコミュニティが活用できるスペースなどの意見があがり、実際の設計に活かして改修工事を行っています。
様々な意見が出され、集約し、建築家の協力によって概ね実現しています。

(個人的なつながりとしては、そのワークショップのファシリテーターを担当していて、その後も継続してプロジェクトに関わらせていただいています。)

おばちゃんたちが運営するカフェにリニューアル

そんなきららの楽校には、前述にもあるように、カフェとキッチンスペースがあります。
もともと、お弁当販売やご年配の世帯への給食などをやっているコミュニティがあり、その方々の活動拠点としてキッチンスペースを設けていて、それに併設する形でカフェがありました。

カフェ自体はこれまで別の団体が運営していましたが、先日運営団体が代わり、メニューもリニューアルしたそうです。
運営は、お弁当などを手掛けているコミュニティ。

おばちゃんたちが普段からお弁当で鍛え上げている料理が定食となってでてきます。
特別な名物メニューがあるわけではないですが、地元で食べている料理が美味しいんです。

普通に、美味しい。

特別なことは必要ない

地域で何かをするときに、特別なことをしようとするときがあります。
人に来てほしいからそうするのですが、そこにないものを急に生み出したり、地域とは全然ゆかりの無いものが採用されたり。。。

無理しちゃうわけです。

実際、リニューアル前のカフェのメニューは、その土地に無いものが出たりしていました。
(かごしま弁で言うところの「よかぶっせ=カッコつけ」でしょうか)

そういうメニューは、出している方は、おしゃれなメニューを頑張ってつくるわけですから、満足感もあっていいのでしょうけれど、消費者からしたら「ここで食べなくてもいいかな」と思ったりするんだと思います。
こうなると頑張りが勿体ない。

だからこそ、無理せず、いつも作っているものをだす。
特別なことはしない。

これを心がけるのがいいんじゃないかなぁと思っています。

伝える努力は忘れずに

強いて、頑張りが必要なことを上げると、伝えることかなと思います。
なぜそれを出すのか、なぜそれが美味しいのか、文脈を伝えることで、食べる側も納得できるし、作る側も無理せずいつもどおりにクオリティを保てる。
こういう関係をつくることが大事なんじゃないかなと思います。


難しげなことをツラツラと書きましたが、なによりキッチンのなかで働くおばちゃんたちの姿がイキイキしていてよかったなぁと思ったんですよね。


お近くに行くことがあれば、さつま町白男川地区のきららの楽校内にあるカフェ「でんでんカフェ」にぜひ行ってみてください。
(営業は毎週土日の11:00〜14:00です。)
元気なおばちゃんたちに会えると思いますよ。


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